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最近注目され始めた腸管寄生原虫Blastocystis hominisの検査法と鑑別診断法
阿部 仁一郎
1
,
𠮷川 尚男
2
1大阪市立環境科学研究所保健疫学課
2奈良女子大学理学部生物科学教室
キーワード:
Blastocystis
,
ブラストシスチス・ホミニス
,
原虫
,
診断法
Keyword:
Blastocystis
,
ブラストシスチス・ホミニス
,
原虫
,
診断法
pp.938-943
発行日 1997年8月15日
Published Date 1997/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903402
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はじめに
Blastocystis hominis (ブラストシスチス・ホミニス)は,1912年に熱帯地域のヒトの糞便から見いだされ,形態学的観察などから酵母の一種として報告された1).1950年代には電子顕微鏡による形態学的研究が始まり,嫌気性にもかかわらずミトコンドリアを有しているなどの特異な生物学的特徴が明らかとなり,近年研究が盛んになってきた単細胞性の微生物である2).しかしながら,寄生虫に関する国内の教科書にはまだあまり記載されておらず,B.hominisについて知らない検査技師が多いのではないかと思われる.
本稿では主に検出と鑑別診断法についての種々の方法について述べる.
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