新しい検査法
糞便中の原虫類嚢子検査法
松林 久吉
1
1慶応大学医学部寄生虫学
pp.46
発行日 1957年4月15日
Published Date 1957/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905321
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寄生虫の検査のうちで多くの人が困難を感じているのは腸虫寄生原虫類の検査であろう。一般の病院ではこれらの原虫類は殆んど検査の対象となつていない。正確な診断を下すにはこの方面の検査が必要となる場合も少なくない。ここでは腸管に寄生する原虫類の嚢子を検出する方法で,比較的新しく,然も甚だよい成績を示すと思われるものを紹介する。それには糞便中の嚢子を集める方法と,集めた嚢子を染めて鏡検すると云う二段の手順が必要である。
a)嚢子を集める方法としてはMGL法と云うのがある。之は原虫類と限らず,一般の寄生虫卵をも集めるために考案されたものであるが,原虫類の嚢子に特によい成績を示すように思われる。方法は次の如くする。
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