Laboratory Practice 〈移植医療〉
―移植医療と検査①―臓器移植とは
矢澤 浩治
1
,
高原 史郎
2
1大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(泌尿器科)
2大阪大学大学院医学系研究科先端移植基盤医療学
pp.697-699
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103255
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はじめに
臓器移植とは,末期臓器不全に対する最終治療手段である.わが国で行われている臓器移植の種類としては,心臓,肝臓,腎臓,肺,膵臓,小腸がある.臓器移植は,ドナーの種類に応じて生体臓器移植と脳死臓器移植に分かれる.わが国においては,脳死臓器移植へのハードルが高い状態が続いていたため,生体臓器移植が先行する形で進んできた.1997年に臓器移植法が制定された後でも臓器提供者数が10例前後という状態であり,諸外国と比較すると脳死臓器移植に関しては発展途上の段階である.ただし,2010年7月に改正臓器移植法が施行されてからは脳死ドナーが増加しつつあり,今後の脳死臓器移植に期待がもたれている.本稿では,それぞれの臓器移植の概要について述べさせていただく.
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