Laboratory Practice 〈生理〉
脳波記録時の心電図アーチファクト除去法
小野澤 裕也
1
1北里大学病院臨床検査部
pp.692-696
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103254
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はじめに
脳波は非常に小さな電位を記録する検査であり,高感度の差動増幅器を用いるため,脳波記録に混入する脳波以外の人工産物(以下,アーチファクト)がたびたび問題となる.記録の際にアーチファクトの混入していない脳波を目標とすることはもちろんであるが,やむをえずアーチファクトが混入した際には,脳波との鑑別が重要となり,そこに検査技術が問われ,大きく診断に影響する.
脳波に混入するアーチファクトは,一般的に被検者自身に由来するもの(biologic or physiologic:生物的あるいは生理的要因),脳波計や電極などに由来するもの(instrumental:器具性),測定環境に由来するもの(environmental:環境性)の三つに大きく分類される.本稿で概説する心電図のアーチファクトは,被検者自身に由来する生理的要因のアーチファクトの代表的なものである1,2).
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