特集 感染症の発熱とその治療―患者背景からの診断・治療のコツ
◉入院患者における感染症の発熱と治療
①固形臓器移植患者
樽本 憲人
1
1埼玉医科大学 医学部 感染症科・感染制御科 講師
キーワード:
固形臓器移植
,
カルシニューリン阻害剤(CNI)
,
サイトメガロウイルス(CMV)
,
CYP3A4
Keyword:
固形臓器移植
,
カルシニューリン阻害剤(CNI)
,
サイトメガロウイルス(CMV)
,
CYP3A4
pp.35-39
発行日 2020年3月10日
Published Date 2020/3/10
DOI https://doi.org/10.34426/kk.0000000097
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Summary
固形臓器移植のレシピエントにおける発熱の多くは感染症によるものであり,予後に大きく影響する。移植手術1ヵ月以内は,周術期および院内感染に関連する発熱であることが多いが,急性拒絶反応などの可能性もありうる。移植1ヵ月を超えてくると免疫抑制剤の効果が強くなり,細胞性免疫の低下に伴う各種感染症が問題となる一方,悪性腫瘍なども原因となりうる。免疫抑制剤の影響で,症状や各種検査は非特異的となりやすいため,積極的な診断を進めるための侵襲的検査に迫られる場合もある。
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