Laboratory Practice 〈輸血〉
脳死移植に必要な輸血検査および血液の準備・供給の状況について
押田 眞知子
1
,
清川 知子
2
1元・大阪大学医学部附属病院輸血部
2大阪大学医学部附属病院輸血部
pp.623-628
発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103227
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はじめに
1997年10月に「臓器の移植に関する法律(臓器移植法)」が制定され,当院でも1999年2月に第1例の脳死ドナーからの心臓移植が実施された.その後2010年7月17日に「改正臓器移植法」が施行され,本人の意思が不明でも,家族の承諾があれば臓器提供が可能となった1).
1997年から2011年3月までの14年間に,脳死臓器提供は125件,脳死臓器移植手術(以下,脳死移植)は549件であった.うち,改正臓器移植以降の8か月間で39件の臓器提供が行われており1),改正以前に比し増加している.
脳死移植は,予測不可能で,手術対象患者はもちろんのこと,血液型も不明である.また,時間的制約もあり,血液型によっては,血液製剤の準備に難渋することも考えられる.
本稿では,当院での脳死移植に伴う輸血検査体制,血液の出庫状況,使用状況および業務体制の留意事項について述べる.
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