Laboratory Practice 〈免疫〉
HLA適合血小板供給のための検査
荒木 延夫
1
1兵庫県赤十字血液センター技術部
pp.704-710
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102877
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
血小板膜表面にはHLA抗原(human leukocyte antigen),血小板特異抗原(human platelet antigen,HPA)などの同種抗原が存在する.そのため,頻回の血小板輸血などにより抗HLA抗体や抗HPA抗体が産生された患者に血小板を輸血すると,血小板上のHLA抗原やHPA抗原とそれらの抗体がただちに免疫破壊反応を起こし,血小板輸血不応(platelet transfusion refractoriness,PTR)に陥る.このような患者にHLA抗原あるいはHPA抗原の適合した血小板を輸血すると,良好な臨床効果の成績が得られる.そこで,赤十字血液センターでは,HLA適合血小板として濃厚血小板HLA-LR「日赤」(platelet concentrate HLA-leukocytes reduced,PC-HLA-LR)を供給している.本稿では,HLA適合血小板供給のための検査などについて述べる.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.