Laboratory Practice 〈管理運営〉
検査部システムの安全管理
萩原 三千男
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院検査部
pp.617-622
発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103225
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はじめに
今日の診療や臨床検査において情報システムは,迅速化や効率化の役目を十分に果たすとともに,医療安全の維持・向上の要として位置付けられるようになった.それゆえ,システム自体の安全管理は確実かつ永続的になされる必要がある.医療情報システム全般における安全管理として,厚生労働省から医療情報システムの安全管理に関するガイドライン1)が通知されている.本ガイドラインは,1~5章に対象とするシステムと情報,責任のあり方,可用性と標準化について基本的な考え方が述べられ,6章以降は「情報システムの基本的な安全管理」として目的を明示し段階的に対策を講じられるよう配慮されており,実践的なガイドラインとして極めて有効である.また,本ガイドラインは,医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン2)と対になるものであり,両ガイドラインを十分に理解し個人情報保護に関する対策も含めて,安全管理が達成されているかを確認するのに役立つものである.
今回は検査部システムを中心に,実運用において適正な管理が求められる事項について,着目すべきポイントと必要とされる対策について概説する.
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