病院と統計
労働力の供給状況
石原 信吾
pp.10-11
発行日 1973年7月1日
Published Date 1973/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205036
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今月は労働力供給状況の推移をながめてみよう.問題を単純化するために,新規学卒労働力だけに限定して考えることにする.新規学卒労働力供給数は2つの要素に関係する.1つは出生数であり,もう1つは就業希望数である.終戦直後,一時的に出生数が異常に上昇し,ベビーブームと騒がれた時期があった.昭和22年から24年にかけてで,年間出生数は260万人にも達した.その後出生数は急速に低下し,28年-30年頃には,年間180万人程度にまで激減した.ベビーブーム時代に生まれた子供は37年-39年頃に中学を卒業する.高校に進学すればその卒業期は40年-42年となる.こうして,40年-42年の大学・短大を含めた新学卒者は370万人から380万人にも達し,新規学卒労働力供給数は,そのピークを示した42年には150万人を数えるほどであった.
しかしながら,図に見られるように,中卒者は40年以降下降の一途をたどり,高卒者もちょうど3年遅れて43年以降下降に転じている.こうして,新規中高卒労働力供給数は,40年の約120万人から45年には100万人に,そして47年には80万人にと,7年間に実に3分の2にまで減じている.ただ,ここで忘れてならないことは,そこには更にもうひとつ,進学率の上昇という要素が大きく影響しているということである.
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