増刊号 免疫反応と臨床検査2010
VIII 病理・細胞診
5 上皮性腫瘍の免疫組織化学
手島 伸一
1
1同愛記念病院研究検査科
pp.1012-1015
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102944
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病理診断に有用な免疫組織化学
病理診断の基本はHE(hematoxylin-eosin)染色であることはいうまでもないが,いまや日常の診断に免疫組織化学(免疫染色)は不可欠となっている.新規抗体の増加,自動免疫染色装置の普及,免疫染色に対する保険点数の加算などにより,近年免疫染色の施行件数は明らかに急増している.しかし,悪性の上皮性腫瘍(癌腫)の日常診断の際に,免疫組織化学が真に有用であることはそれほど多くなく,免疫組織化学が無意味であったり,診断を間違えた方向に向かわせることも多い.したがって,闇雲に染色を施すのではなく,有用な抗体を適切に選択し,優れた染色を行い,結果を正しく判定するという作業はますます重要となっている.そこで本稿では,当院の日常業務で使用している市販抗体をもとに,悪性の上皮性腫瘍(癌腫)の診断に有用な市販抗体を解説してみたい.
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