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今月の主題 胃上皮性腫瘍—組織分類・内視鏡診断の新展開
序説
「胃上皮性腫瘍の組織分類」考
Introduction
九嶋 亮治
1
Ryouji Kushima
1
1滋賀医科大学医学部病理学講座・臨床検査医学講座(附属病院病理診断科)
キーワード:
組織分類
,
胃癌取扱い規約
,
WHO分類
,
分子病型分類
,
TGCA分類
Keyword:
組織分類
,
胃癌取扱い規約
,
WHO分類
,
分子病型分類
,
TGCA分類
pp.1249-1251
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202549
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胃上皮性腫瘍の組織分類—何がどう違うのか,どう使うのか
胃上皮性腫瘍で粘膜下組織以深に浸潤し外科的切除や化学療法の対象になる浸潤癌に関しては,本邦と海外の病理組織学的分類はよく対応しているというよりも,胃癌のWHO分類1)が基本的に本邦の「胃癌取扱い規約」2)の分類を踏襲していると言える.しかし,日本のお家芸とも言うべき内視鏡的切除の対象になる粘膜内癌と粘膜下組織浅層浸潤癌,特に腺腫を含む粘膜内非浸潤性腫瘍の組織診断基準(診断名の付け方)が大きく異なる.ドメスティックに診断と治療を展開するだけであるなら,海外の分類は気にする必要はないのかもしれないが,少しでも英文論文を読んだり書いたりするものなら,この違いを理解しておかなければならない.また,“遺伝子”あるいは“分子異常”と聞くと,大なり小なり拒否反応を示す読者(筆者もその一人)も多いと思われるが,胃上皮性腫瘍のいくつかの組織型とマッチする遺伝子変異が証明されてきたし,近い将来の規約や分類に組み込まれる可能性のある分子病型分類について,今知っておきたいものを簡単に紹介する.
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