増刊号 免疫反応と臨床検査2010
VIII 病理・細胞診
6 非上皮性腫瘍
長谷川 匡
1
1札幌医科大学医学部病理診断学
pp.1016-1021
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102945
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非上皮性腫瘍とは,骨組織に発生する骨腫瘍と上皮以外の間葉系組織と中枢神経以外の神経組織から発生する,あるいはこれらへ分化を示す軟部腫瘍とが含まれ,併せて骨・軟部腫瘍とも呼ばれる.現在,骨・軟部腫瘍の病理組織分類にはWorld Health Organization(WHO)による分類が広く用いられている1).骨・軟部腫瘍の診断は臨床経過,画像,病理形態を総合して行う.通常,診断に際して形態学的特徴が重視されるが,同じ特徴を示すものや細胞分化が不明な場合は免疫組織化学(immunohistochemistry,IHC)を行う.IHCの技術は進歩し,診断に有用な抗体が多く販売されているが,いまだに偽陽性または偽陰性が問題となっている.しかし,この注意点を常に考慮してIHCを行えば,日常診療に有効な手段となりうる.
本稿では非上皮性腫瘍におけるIHCについて解説し,その有用性が高い組織型をいくつか紹介する.
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