特集 耳鼻咽喉科感染症の完全マスター
Ⅱ.病原体をマスターする
1.細菌・原虫感染症
10)梅毒トレポネーマ
余田 敬子
1
1東京女子医科大学東医療センター耳鼻咽喉科
pp.118-122
発行日 2011年4月30日
Published Date 2011/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101829
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Ⅰ 一般的特徴
1.形態
細菌は,その形態によって球菌,桿菌,らせん菌に分類される。らせん菌は,桿菌のように菌体が細長くらせん状に回転している細菌で,らせんの回転数が多い(5回以上)ものをスピロヘータという。梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum subspecies pallidum)はスピロヘータ科,トレポネーマ属に位置する。菌体は,太さ0.1~0.2μm,長さ6~20μm,8~20回の規則正しい深い屈曲をもつらせん状のグラム陰性桿菌で,コルク栓抜きのような運動がみられる。
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