Japanese
English
特集 カラーアトラス 口腔・咽頭粘膜疾患—目で見て覚える鑑別ポイント
性感染症による口腔・咽頭粘膜病変
Oropharyngeal mucosal lesions with sexually transmitted infection
余田 敬子
1
Keiko Yoda
1
1東京女子医科大学東医療センター耳鼻咽喉科
pp.122-127
発行日 2020年2月20日
Published Date 2020/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202293
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POINT
●梅毒一次病変の初期硬結と硬性下疳は,アズキ大から指頭大の暗赤色の腫瘤で,軟骨のようにコリコリと硬く無痛性である。
●梅毒二次病変の粘膜斑は,青みがかった白,または灰色の若干扁平に隆起した梅毒特有の病変で,辺縁は赤く,とくに口蓋垂を中心に蝶が羽を広げたような形態(butterfly appearance)が特徴的である。
●典型的な粘膜斑でなくても,一見扁桃炎のようにみえる白色病変が扁桃に限局せず,口蓋弓粘膜など扁桃周囲にも認める場合は,梅毒を鑑別診断に挙げるべきである。
●20〜50歳台の男性に,カンジダ,舌の白色病変,難治性の歯肉炎・歯周炎,非特異的潰瘍を認める場合は,HIV感染を疑う。
●10歳台後半〜20歳台の難治性上咽頭炎や急性に生じた咽頭扁桃のアデノイド様腫脹では,クラミジア感染症を鑑別に挙げるべきである。
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