技術講座 生化学
―臨床化学応用技術シリーズ・5―期待される検出試薬と検出機器
大澤 進
1
1九州大学大学院医学研究院保健学部門
pp.115-121
発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102361
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検出試薬の変遷1)
臨床化学検査に用いられる検出系試薬のほとんどは,可視部域で発色する試薬を中心に開発されてきた.これは用手法の時代から分光光度計として可視部を検出する機器の性能に起因する.1975年前後から自動分析装置が普及し始め,紫外部を検出できる機器が組み込まれた.そして,補酵素の還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(nicotinamide adenine dinucleotide,NADH)を340nmで検出し,酵素活性検査を中心に検出系として利用されるようになった.
酵素活性検査が自動分析装置で容易に初速度を計測できるようになったこと,そして同時に試料をまとめて測定する必要のあった放射性免疫測定法(radioimmunoassay,RIA)による検査から,個々の試料をランダムに測定できる酵素免疫測定法(enzyme immunoassay,EIA)による検査への移行が進んだ.
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