疾患と検査値の推移
細菌感染症における炎症反応の推移
斧 康雄
1,2
1帝京大学医学部微生物学講座
2帝京大学医学部内科・感染症診療
pp.130-136
発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102365
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はじめに
感染症の炎症マーカーとしては,末梢血白血球数とその分画,血清C反応性蛋白(C-reactive protein,CRP)値,赤血球沈降速度(以下,赤沈)が主に測定されるが,これらの炎症マーカーは,①感染症であるかどうかの診断,②細菌性かウイルス性かの鑑別,③感染症の重症度判定,④感染症の経過観察,⑤抗菌薬の治療効果の判定や中止時期,薬剤変更の決定,などに用いられている1).しかし,これらの炎症マーカーだけでは上記の病態把握には限界があるため,その評価においては,臨床症状や他の検査所見,画像所見などと併せて総合的に判断する必要がある.本稿では,細菌感染症におけるこれらの炎症マーカーの推移について概説する.
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