Laboratory Practice 〈病理●液状処理細胞診検査の新しい試み・1〉
総論と子宮体部
則松 良明
1
,
香田 浩美
2
,
能登原 憲司
2
1愛媛県立医療技術大学保健科学部臨床検査学科生体情報学講座
2倉敷中央病院病理検査科
pp.833-835
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102177
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はじめに
婦人科細胞診検体は通常臨床医が検体を採取し,臨床の現場でスライドガラスに塗抹固定をしたうえで,検査室へ提出される(以下,従来法).しかしながら,従来法では採取時~塗抹固定の工程で不適標本が20%程度あるとの報告もある1).
液状処理細胞診(liquid based cytology,以下LBC法)とは採取した細胞を直接アルコールベースの固定液中に入れ,固定を完了してから塗抹する方法である.さらにLBCのなかでも標本作製時に薄層(シンレイヤー,thin layer)塗抹をして,標本を作製する方法が世界で広がりをみせている.わが国でもSurePathTM法〔BD社,米国/代理店:(株)医学生物学研究所〕とThinPrep(R)法〔ホロジック社,米国/代理店:(株)オリンパス〕の2法がLBC法による薄層塗抹法として紹介がされている2).どちらも一長一短があるが,本稿では以下,わが国で最も普及しているBD社のSurePathTM法を中心に述べることとする.
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