特集 産婦人科医が知っておくべき婦人科腫瘍の病理学
各論
4.子宮体部内膜腫瘍
安田 政実
1
M. Yasuda
1
1埼玉医科大学国際医療センター病理診断科
pp.945-954
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001838
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本稿で概説する子宮体部内膜腫瘍は【類内膜癌】と【その他の内膜癌】の2つの枠組みに整理した。異型増殖症は類内膜癌の前癌/前駆病変で,とりわけ初期段階の類内膜癌の多くが異型増殖症と連続性をもつことから(両者を明確には識別し得ないことから),ここでは類内膜癌に関連づけて言及した。
昨年発刊されたWHO2020年版で提起された「内膜癌の分子病理学的な分類/molecular classification」は,今後の内膜癌診断の方向性に大きな一石を投じた。それにより,これまでの形態を根幹とする組織診断と悪性度評価/gradingに,分子病理診断をどのように統合していくのか,現実的な対応を迫られることになった。
【その他の内膜癌】では,漿液性癌,明細胞癌,混合癌,中腎管様癌,癌肉腫,腺肉腫などを取り上げ,「類内膜癌との違いや鑑別点」に焦点を当てた。とりわけ掲載した図/組織写真には「内膜癌の大半を占める類内膜癌,および類内膜癌とは異なる組織型(主に漿液性癌)の本質/悪性度を考察するヒント」になればとのメッセージを込めた。
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