Laboratory Practice 〈臨床生理●呼吸機能検査のステップアップ・1〉
急性呼吸不全の検査ポイント
久保田 勝
1
1北里大学医学部呼吸器内科学
pp.472-475
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101719
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はじめに
呼吸不全とは“原因を問わず動脈血酸素分圧(PaO2),動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2)の異常により生体が正常の機能を営めない状態”あるいは,“空気吸入下のPaO2が60Torr以下となる呼吸器系の機能障害,または,それに相当する異常状態”と定義され,PaCO2≦45TorrのⅠ型呼吸不全とPaCO2>45TorrのⅡ型呼吸不全に分類される.
呼吸不全の状態が少なくとも1か月以上持続するものを慢性呼吸不全というが,急性に発症し増悪する呼吸不全が急性呼吸不全である.このように呼吸不全の有無・重症度を知るためにはPaO2とPaCO2を測定する動脈血ガス測定が不可欠である.また,動脈血酸素飽和度(SaO2)を非侵襲的に測定できるパルスオキシメータが普及し臨床の場で広く用いられるようになった.本稿では急性呼吸不全における呼吸機能検査として,動脈血ガスとパルスオキシメータを中心に概説する.
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