増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査
各論
2.生化学検査
ノート 急性心筋梗塞における各種マーカーの使い分け
説田 浩一
1
,
清野 精彦
2
1東京都立駒込病院循環器内科・臨床検査科
2日本医科大学内科学(循環器・肝臓・老年・総合内科部門)
pp.1134-1137
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101068
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
急性心筋梗塞(acute myocardial infarction,AMI)は,そのほとんどが冠動脈内粥腫(プラーク)の破裂・びらんにより生じた血栓が冠動脈またはその分枝を閉塞することにより起こる.今日では,AMIは発症早期に冠疾患集中治療室(coronary care unit,CCU)に収容し,より早期に冠血管インターベンションなどの再灌流療法が行われるようになったが,なおCCU収容例においてさえその死亡率は7~8%である.AMIの予後は,AMI発症後いかに早期に治療を開始するかにより左右されるが,早期の治療開始のためにはより早期に診断することが重要であることは言うまでもない.本稿では,AMI診断に重要である血液マーカーの使い分けにつき概説する.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.