Laboratory Practice 〈免疫・生化学〉
炎症マーカーの使い分け
西村 啓佑
1
,
古形 芳則
1
,
森信 暁雄
1
1神戸大学医学部附属病院膠原病リウマチ内科
pp.1256-1258
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104125
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はじめに
日常臨床で一般的に使用されている炎症マーカーには,白血球,C反応性蛋白質(C-reactive protein,CRP),赤血球沈降速度(erythrocyte sedimentation rate,ESR,赤沈),血清アミロイドA蛋白質(serum amyloid A protein,SAA)などがある.細菌感染症などの発熱性疾患や関節リウマチ(rheumatoid arthritis,RA)などの炎症性疾患などで測定し,それぞれの疾患の診断や活動性評価時に有用である.また,感染症時に有用なマーカーとしてプロカルシトニン(procalcitonin,PCT)が,RAなどの関節炎の活動性マーカーとしてマトリックスメタロプロテイナーゼ-3(matrix metalloproteinase-3,MMP-3)などがある.
本稿では,代表的な炎症マーカーである,CRPと赤沈について述べ,その後,不明熱の原因にもなりうる細菌感染症,悪性腫瘍,自己免疫疾患を例に挙げて,炎症マーカーの使い分けについて述べる.
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