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Acinetobacter baumanniiによる院内感染
渡邊 正治
1
1千葉大学医学部附属病院検査部
pp.85-86
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100553
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はじめに
医療技術や治療法の進歩,普及により病院内にはイムノコンプロマイズドホスト(immunocompromised host,易感染宿主)や医療器具などの異物が挿入されている患者が増加している.このため,通常健康なヒトに感染症を起こすことが稀な菌が,院内感染の起炎菌となることが多い.グラム陽性球菌では,Staphylococcus属,Enterococcus属など,グラム陰性桿菌ではSerratia属,Citrobacter属,Enterobacter属,Pseudomonas aeruginosaなどのブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌などが挙げられる.これらの菌は,皮膚・腸管の常在菌や環境・土壌に生息している場合が多く,また薬剤耐性菌も多い.
本稿では,最近各種β-ラクタマーゼを産生し重要となっているAcinetobacter baumannii(A. baumannii)について述べる.
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