増刊号 一線診療のための臨床検査
第II章 各論―検査編
4. 生化学検査
8)乳酸脱水素酵素(LD)
杉山 祝子
1
1岡山済生会総合病院中央検査科
pp.1274-1275
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100287
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検査の基礎
1 . 試料の取り扱い・測定上の留意点
乳酸脱水素酵素(lactate dehydorogenase,LD)は赤血球中に血清の約200倍含まれているため,ごく微量の溶血でもプラスの影響を受ける.そのため「うっ血を避けて採血する」,「検体は乱暴に取り扱わない」など注意が必要である.また,不完全な血餅形成では,遠心分離時に血小板が破壊されることで,血小板からLDが放出されプラスの影響を与える.結果を判断する場合,肉眼での観察だけでなく自動分析装置の血清情報を利用するとよい.近年,採血管準備システムの普及に伴い採血管ラベルへ必要採血量が表示されるようになった結果,真空採血管への採血量が減り,管内の陰圧が残ることによって,肉眼で判断できない微小溶血が引き起こされることもある.
LD4・5は冷蔵保存により徐々に低下するため,当日実施しないアイソエンザイム検査は,室温または-60℃以下に保存する必要がある.
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