増刊号 一線診療のための臨床検査
第II章 各論―検査編
1. 微生物検査
2)免疫学的検査
(2)抗体検査
西 功
1
,
出口 松夫
1
,
豊川 真弘
1
,
浅利 誠志
2
1大阪大学医学部附属病院臨床検査部
2大阪大学医学部附属病院感染制御部
pp.1183-1186
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100260
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はじめに
ウイルス感染症や抗酸菌症などの微生物検査においては,培養に特殊な培地や細胞組織を用い病原体検出までに長時間を必要とするため,抗原抗体反応を用いた免疫学的検査法が迅速検査として活用されている.感染初期にはIgM抗体が早期に上昇するため,急性期症状を呈する患者診断にはIgM抗体の検出が有効である.一方,ウイルスアウトブレイク時の接触者検診(抗体保有の有無)や針刺し事故発生時などの暴露源の罹患歴確認検査にはIgG抗体測定が有効である.
近年,経済効率を優先し検査の外注化が進んでいるが,ここで紹介する抗体検査法は結果報告の迅速性が,その後の院内感染対策に大きな影響を及ぼすことより院内実施が必須と考える.
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