技術講座 微生物
サイトメガロウイルス感染症の検査—CMV抗原血症検査
西 功
1
,
豊川 真弘
1
,
浅利 誠志
2
1大阪大学医学部附属病院臨床検査部
2大阪大学医学部附属病院感染症対策部
pp.827-830
発行日 2002年9月1日
Published Date 2002/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906285
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新しい知見
臓器移植の技術的進歩および移植施設数の増加に伴い,サイトメガロウイルス(CMV)感染症は予後を左右する重要な感染症の1つとして認識が高まっている.
これまでのウイルス感染症の検査法は,結果を得るまでに時間を必要とするウイルス培養同定法,血清学的検査法が用いられてきた.しかし,近年CMV感染症の診断はCMV抗原血症検査,PCR(polymerase chain reaction,ポリメラーゼ連鎖反応)法およびNASBA(nucleic acid sequence-based amplification)法など遺伝子技術の導入により検査後数時間で特異性の高い結果が得られ,さらに,これまでの検査法では診断不可能であった「発症予測」や「薬剤治療効果判定」までもが可能となり感染症診断技術は新たな局面を迎えている.
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