研究
Dameshek法による血小板数の算定
杉島 聖章
1
,
加藤 甫明
2
,
辻村 てる子
1
1京都府立医科大学臨床検査部
2京都府立医科大学丸本内科
pp.53-55
発行日 1961年1月15日
Published Date 1961/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916993
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血小板数の算定は,血液疾患の診療において,また放射線障害の指標としてきわめて重要であり,正確かつ迅速な検査が要求される。しかも大病院の血液検査室では,日々はなはだ多数の検査が依頼され,その方法の簡易さが検査室の能率向上のためにとくに望まれるところである。
しかしながら,現在一般に行なわれている血小板算定法は,他の血球算定に比べて手技が繁雑であり,誤差も非常に大きい。例えば,もつとも広く用いられているFonio法について見ると,1954年以来行われた日本血液学会研究班による日本人成人正常値1)は32万から5万までと非常に変動域が広く,また最近行なわれた同一人標本による各臨床検査室間の算定値の変動も32万から5万と驚くべき"ばらつき"を示したと言う2)。しかもその手技は繁雑で,成績を出すまでの時間もまたかなり長い。Rees-Ecker法やLempert法3)などの直接法も,その手技に厳重な条件があり,簡易とはいい得ない。
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