研究
改良型ノイバウエル計算盤の目盛りと算定法に関する問題—改良型Neubauer血球計算盤についての疑問
相賀 静子
1
1国立東京第一病院研究検査科
pp.646-650
発行日 1964年8月15日
Published Date 1964/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916800
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
血球算定用の計算盤として,初期にはThoma型が一般に使用されていたが,現在ではBurker-Türk (以下B-T)型またはImproved Neubauer (以下I.N.)型が広く使用されている。私達の検査室でも現在使用しているのはB-T型とI.N.型であるが,すべて日本血液検査器械検定協会検定品なので,十分な検討をすることもなく今まで使用している。ところが私は以前に米国製のI.N.型を使用したことがあり,そのさい白血球を数えるには,4隅の大区画,赤血球を数えるには中央の大区画しか使用できなかったように記憶していたので,以前からその時使用した米国製品と現在使用している邦製品とは目盛りの切り方が何か異なっているような印象を持っていた。
昨年9月の本誌上に一般検査の要点という特集があり,その中に血液および血沈値と題して加納寿子先生の解説が掲載されたので血球算定の項を熟読したところ,加納先生の記載されているI.N.型の図と私達の検査室で使用しているI.N.型とでは,目盛の切り方が異なっているのではないかと思われた。そこで邦製品のカタログを見たところ,同じ面積1mm2の大区画9個を有しているB-T型の一辺の長さは3±0.001mmとなっており,I.N.型でも同様に3±0.001mmとなっていたが,理論的にはI.N.型では中央の大区画に6つの2本線が入っているので,この2本線の間の幅の6倍が加わるため,3+6×(2本線の間の幅)mmが一辺の長さになるはずなので,カタログに記載されているような長さで邦製品が作られているとすると,この点に問題があるのではないかと考えられた。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.