次代に残したい用手法検査・3
計算盤を用いた赤血球数,血小板数,白血球数の算定
大沼 沖雄
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院臨床検査部三菱化学メディエンス
pp.1043-1050
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103541
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はじめに
現在,血球算定は,操作の容易さ,処理能力,再現性の高さなどから自動血球算定装置が広く使われている.自動血球算定装置の測定原理は,①検出孔を血球が通過すると電気抵抗の変化が生じるため,それを数えて算定する電気抵抗法と,②フローセルに光(レーザー光など)を照射し,通過する血球を算定する光学的算定法の2つに分けられる.しかし,この機器は,血球と同じ大きさの血球外粒子も“血球”として数えてしまう欠点があるため,懐疑的なデータが出現した場合に昨今の装置のブラックボックス化に伴い,検証することが極めて困難である1).
一方,古典的な血球算定法としては計算盤を用いた方法が挙げられる.計算盤を用いた血球算定は,再現性には難があるが,個々の血球を確認しながら数えられるという利点がある.さらに,この方法は血球算定以外にも,骨髄細胞数や培養細胞,血球外の粒子(花粉など)の算定も可能であり臨床的有用性も高い.
本稿では,忘れ去られようとしている古典的な方法である計算盤を用いた血球算定について述べる.
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