研究
濾紙電気泳動法と自動記録式泳動用濃度計の実際
松谷 衛
1
MATSUTANI MAMORU
1
1広島県立広島病院研究検査科
pp.156-160
発行日 1964年2月15日
Published Date 1964/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916733
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はじめに
濾紙電気泳動法についてはかなりの報文が報告されているが,日本においてその価値があまり認識されていないのはその操作法に非常に難点があり,きれいな濾紙電気泳動像を得られず,正しい臨床診断がつかない点が大きな問題であった。つまり今までの濾紙電気泳動法では"信頼性に乏しい"ことがこの学問の発展しない主な原因であった。
血清タンパク分屑の定量法については(1)分画抽出法,(2)デンシトメトリーの二法があるが,今日までの報文としては分画抽出法が大部分である。デンシトメトリーの発展しなかった原因として,器械(プロット式デンシトメーター)の不完全さによる泳動パターンの再現性不良に一因があるが,自動記録式デンシトメーターを使用した場合でも,きれいな泳動像でないと正しい結果が得られない,ここにも発展を阻む問題点があった。
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