対談
螢光顕微鏡のいろいろ
松橋 直
1
,
川村 明義
2
1東大医学部血清学
2東大医科学研究所
pp.278-285
発行日 1968年4月15日
Published Date 1968/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916703
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松橋螢光抗体法が,最近盛んになって,わが国でも日常検査にも応用されるようになりました。近くはFTAなどが実際に日常検査にも活用されるという動きがあります。こんなわけで検査室の皆さんが螢光顕微鏡を使うことが多くなるかと思いますが,本日は,この方面のわが国の第一人者である川村先生に螢光顕微鏡の使い方,などについてお話を伺いたいと思います。その前に螢光抗体法が臨床病理学の領域で,世界的にはどんなふうに活用されているかというようなことをお話しいただきたいと思いますが。
川村私は2年半ほど前にWHOの螢光抗体法の研修会に日本代表として出席いたしました。出かける前には持っていた自信も,言葉の点でおくれをとり,最初はどうも旗色が悪かったわけです。しかし,実際の螢光抗体法の手技となると,われわれの方がだんぜんすぐれていて,今度は主客が転倒し,大いに面目をほどこしました。このことは日本での研究体勢が広い分野を結集したものだったからです。ところで本法のレベルが日本よりむしろ低い外国でありながら,臨床病理領域への応用の点ではきわめて意欲的で,当時すでにFTAを始めとして,ウイルス病や細菌感染症診断に応用されつつあったわけです。
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