Ex Laboratorio Clinico・23
アルカリホスファターゼ結合性IgGの発見
長嶺 光隆
1
1九州大学,病院検査部
pp.1434-1439
発行日 1978年11月15日
Published Date 1978/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914944
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はじめに
血清中で酵素が免疫グロブリンと複合体を形成する現象の認識は,1964年Wildingら1)によって見いだされたアミラーゼとγ-グロブリンとの結合が初めてである.その後,1967年Ganrot2)がLDHとIgAとの結合例を発表して以来,LDHアイソザイム分析の普及に伴ってLDH-免疫グロブリン結合例の検出は増加し,また一方では結合様式や免疫グロブリンの性状,更には疾患との関連についても検討されてきた.
1975年,筆者3)はアルカリホスファターゼ(ALP)とIgGとの結合例を見いだしたが,その後今日まで7例が報告されて,ALPも免疫グロブリンと結合する酵素のグループに仲間入りしたわけである.ここではALP-IgG結合例との出会いから本態解明までのいきさつを紹介する.
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