わだい
癌性アルカリ性ホスファターゼ
飯野 四郎
1
Shiro IINO
1
1東大第一内科
pp.1479-1480
発行日 1989年10月30日
Published Date 1989/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917644
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癌性アルカリ性ホスファターゼ(ALP)として知られているものには,胎盤ALPに類似するものと胎児小腸ALPに類似するものの二つがある.前者は1967年,Fishmanらによって,肺癌患者血清中にケタはずれにALPが高値を示した例に見いだされたもので,当時としては,物理化学的にも,血清学的にも,生化学的にも胎盤ALPと区別できない腫瘍産生性ALPとして報告され1),患者名にちなんでRegan isoenzymeと名づけられた.その後,性状が多少異なるものの同じく胎盤性ALPに属するものが中山らにより発見され,Nagao isoenzymeとして報告された2).
胎盤性ALPの最大の特徴は65℃の熱処理を行っても失活しないことであり,時に胎盤性ALPで上記の処理で多少の失活をみる場合もあるが,この場合でも,微量のMg2+を加えることにより,活性が低下しないことに特異性がある3).
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