今月の主題 胎盤
トピックス
胎盤アルカリ性ホスファターゼ
原田 剛
1
,
菰田 二一
1
Tsuyoshi HARADA
1
,
Tsugikazu KOMODA
1
1埼玉医科大学生化学教室
キーワード:
アルカリ性ホスファターゼ
,
腫瘍マーカー
,
アイソザイム
Keyword:
アルカリ性ホスファターゼ
,
腫瘍マーカー
,
アイソザイム
pp.1709-1713
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101392
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1.はじめに
リン酸モノエステルを基質とする非特異的な水解酵素群のうち,アルカリ性領域(pH9~10)に至適活性を有するものをアルカリ性ホスファターゼ(alkaline phosphatase;AP)と呼び,ヒトでは臓器非特異的AP(肝/骨/腎AP;TNAP),小腸AP(small intestinal alkaline phosphatase;IAP),胎盤AP(placental alkaline phosphatase;PLAP)および胚細胞AP(germ cell alkaline phosphatase;GCAP)の4遺伝子がこれまでに同定されている.このうちPLAPは妊娠12週以降に胎盤の微小絨毛,栄養膜上皮の合胞体栄養細胞で産生され,30週から分娩期に向かって経時的に血中濃度が上昇することから,古くはその経時変化をもとに,胎盤機能や胎児の発育の診断に用いてきた.また,PLAPは,胚細胞腫瘍(germinoma)および腫瘍性胎児において高い発現が認められることから,腫瘍マーカーとして用いられている1).本稿ではPLAPの酵素学的特性に焦点を絞り,最新の知見を交えて概説する.
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