新しい末梢脈管機能検査法・3
サーモグラフィー—赤外放射像による診断法
壽田 鳳輔
1
1東京都立母子保健院産婦人科
pp.994-998
発行日 1978年9月15日
Published Date 1978/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914867
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Ⅰ.サーモグラフィー,熱像診断法
現今すべての臨床の実際で,各種の病気の診断に特徴のある診断法として活躍しているのは,人体の硬組織を中核的な被検対象とするX線診断法,人体の軟組織を中核的な被検対象とする超音波(断層)診断法,それに加えて,身体から放射される赤外線の検出とそれを二次元画像とするサーモグラフィー,熱像診断法(赤外放射像診断法)が列挙される.これらの診断法のうちでは,X線診断法を除いてはいずれも戦後派で,特に熱像診断法は20歳程度の成長年齢である.医用サーモグラフィーに使用される装置を医用サーモグラフと総称するが,1957年に米国において最初に開発されて以来,今日までに米国,スウェーデン,英国,フランス,日本などにおいて実用機種が開発されている.
医用サーモグラフィーあるいはサーモグラフィーの臨床応用は,人体が発生源である赤外放射(線)を光学系によって検出器(熱検出器あるいは光量子検出器)に導き,検出器による電気的変化をオシロスコープ(CROと略)の輝度の変化として,それをカメラで撮影し写真とし,臨床診断のための資料を提供する方法である.そして,人体の赤外放射像の写真がサーモグラム(熱像写真,赤外放射像写真)である.CROの輝度の差異や変化は写真では明暗・濃淡となり,通常は白黒写真では白は明で黒は暗となるが,その程度を表す尺度として,温度表示を用いる.
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