今月の主題 炎症マーカーとその臨床的意義
カラーグラフ
局所炎症反応の病理形態
町並 陸生
1
Rikuo MACHINAMI
1
1群馬大学医学部病理学第2講座
pp.114-116
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913567
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局所炎症反応の病理形態は多彩である.局所の組織が傷害を受けてから,数時間から数日にわたって,そこに生じる変化は急性炎症と呼ばれ,血管内から血管外に出てくる物質あるいは細胞や,そこに生ずる形態像によって種々の名前がつけられてている.漿液性炎,線維素性炎,化膿性炎,カタル性炎,偽膜性炎,潰瘍,その他がある.
最初の傷害が加わってから数週間あるいは数か月にわたって炎症が続く場合が慢性炎症で,急性炎症が慢性炎症に移行する場合と,最初から慢性炎症として認識される場合とがある.慢性炎症に共通している点は,浸出液よりも線維化がめだち,好中球,好酸球,マクロファージ,類上皮細胞,巨細胞,リンパ球,形質細胞,線維芽細胞などの種々の細胞のみられることである.これらの細胞にはそれぞれに特有の形態と機能のあることが知られている.また,慢性炎症には結核のような特異な肉芽腫を形成するものがある.
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