今月の主題 炎症マーカーとその臨床的意義
病態解説
局所炎症反応の病理形態
町並 陸生
1
Rikuo MACHINAMI
1
1群馬大学医学部病理学第二講座
pp.141-145
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913573
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炎症性変化の基本的な現象は,組織が傷害を受けたために,血管内にある液体成分や細胞成分が血管外へ出てくることで,そのために種々の変化が組織に生じる.炎症は一般的には傷害を受けてからの時間的経過の長短によって急性炎症と慢性炎症に分けられている.局所組織に起こる種々の変化を媒介する化学物質(chemical mediators)が多数知られており,また,炎症巣に出現する種々の細胞についても,それぞれに特有の機能のあることが明らかとなってきている.急性炎症が慢性炎症に移行することがあるし,一方,初めから慢性炎症としてしか認識できないこともある.このような炎症性変化を裏づける病理組織学的変化は多彩であるが,それらの変化を概観してまとめてみたいと思う.
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