特集 生検の進歩
I 臓器別生検
ii 細胞診
2 癌集検と細胞像—3 子宮体癌へのアプローチ
蔵本 博行
1
,
森沢 孝行
1
Hiroyuki KURAMOTO
1
,
Takayuki MORISAWA
1
1北里大学医学部産婦人科学教室
pp.1319-1322
発行日 1987年10月30日
Published Date 1987/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913482
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はじめに
わが国での子宮体癌が,対頸癌比で20%近いレベルに増加してきている.この傾向は,欧米ではさらに顕著で,50〜70%を占めるに至っているという.このような増加傾向に呼応して,老健法による子宮癌検診に,従来からの頸癌検診だけではなく,本年度からは体癌検診も加えられようとしている.まことに時宜を得たことといえる.
上述したように,体癌は増加しているとはいえ,まだ欧米レベルではないことから,その検診方法は高危険グループ1)を選抜しての選択検診方式となると伝えられている.われわれの行った約11,000例から成る実地検診トライアル2〜4)などの結果から,その検診対象は,最近6か月以内に不正性器出血を訴えたことのある者で,
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