今月の主題 臨床検査とTQC
検査と疾患—その動きと考え方・121
検査診断のQC入門—考え方と方法についての考察
松田 信義
1
,
木村 丹
1
,
上田 智
1
Nobuyoshi MATSUDA
1
,
Makoto KIMURA
1
,
Satoshi UEDA
1
1川崎医科大学検査診断学教室
pp.401-409
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913296
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◇はじめに
臨床検査のQC (Quality Control)は集団のQCの成果を基盤にして,個別患者データの管理へ主題が移った感がある.その中で,北村1),菅野2)らの検査過誤への取り組みと方法論の創出,実施による成果は特筆すべきことであろう.それは,単に検査過誤を防ぐという精度管理の枠組みを越えて,新しい病態の発見とその解明への道を切り開いている点にみられる.一方,このような成績管理からの検査過誤への取り組みに対し,検査診断のQCからの技法では,検査過誤を診断の"誤り"問題として位置づけ,それを組み合わせ検査における診断矛盾のロジックで検出する.本稿では,始めに検査診断の目的,考え方と方法について解説する.ついで,検査過誤を検査診断のQCという観点よりとらえ,診断"見逃し",診断"誤り"にかかわる重要項目について考察を加える.
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