今月の主題 消化と吸収
技術解説
消化管の内圧測定検査
高橋 逸夫
1
,
伊藤 漸
1
Itsuo TAKAHASHI
1
,
Susumu ITOH
1
1群馬大学医療技術短期大学部
pp.477-484
発行日 1986年5月15日
Published Date 1986/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912950
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消化管の収縮運動を内圧の変化で測定する方法は,使用されるカテーテルおよび機械の改良により確立されつつある.すなわち,カテーテルは被検者の苦痛を少なくするために,より細いものが製作されるようになった.さらに側孔式カテーテルを水で灌流する方法,すなわちinfused cathe—ter法(注入カテーテル法)が最良の方法と考えられている.注入装置は注射器を使用するHarvard型infusionpump (注入ポンプ)からArndorferらが製作したpneumohydraulic capillary infusionsystem (細管気水注入システム)に変わり,これが世界の主流になりつつある.
食道や肛門,直腸の運動はカテーテルを挿入しやすく多くの研究がなされてきたが,現在ではより深部,すなわち中部小腸以下および大腸の運動測定が可能となった.さらに24時間記録のような長時間の測定が行われるようになり,これがまた全消化管に及びつつある.個々の消化管収縮波を解析することも重要であるが,長時間の記録を行うことにより消化管運動を巨視的にとらえ,その異常が病気や症状の解明に役だつと考えられてきている.今後さらに消化管運動の測定が普及し,病気の解明に役だつものと思われる.
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