小さな工夫・6
膀胱内圧測定時使用二重管
白岩 康夫
1
,
田代 彰
1
,
舘山 松男
1
1弘前大学医学部泌尿器科学教室
pp.693
発行日 1969年8月20日
Published Date 1969/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200741
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膀胱内圧測定法は,一般的には点滴装置より滅菌水を膀胱内に注入しながら,膀胱内圧の変動を記録するのであるが,ただ膀胱内に一本のカテーテルを挿入し,点滴装置の途中よりトランスジューサーを経て記録計に連結し記録すると,注入開始前に記録しておいた標準線より高い位置から膀胱内圧曲線が描かれ,実際の内圧の判定に混乱を招く。これは点滴を開始するとイルリガートル内の水圧が点滴内の空気を介し少ないながらも膀胱内圧に加重されてトランスジューサーに伝わるためである。よつてこれを防止するため,我々はネラトンカテーテルの3号と6号とを一緒にし,その周囲をゴム布で包んだ1本の管を作製し,これを膀胱内に挿入し,3号カテーテルより水を注入し,6号カテーテルを記録計に連絡し,膀胱内圧を直接測定することによつて,膀胱内圧のみを測定記録することができた(第1〜5図)。
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