特集 臨床検査室マニュアル
Ⅴ.検査データからみた疾患の特徴
血友病と凝固異常症—von Willebrand病DIC
三間屋 純一
1
1日大小児科
pp.1274-1275
発行日 1976年11月1日
Published Date 1976/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909565
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1.概念
先天性凝固障害症の約90%は血友病である.うち,その頻度の最も高い血友病Aは,第Ⅷ因子関連抗原は正常に存在するが,第Ⅷ因子活性の低下または欠損した分子病であり,X染色体遺伝子欠陥によるものと考えられている.血友病Bは第Ⅸ因子活性の低下または欠損したもので,血友病Aの約1/4の頻度である.その他,まれではあるが,第ⅩⅠ因子欠乏症である血友病C,第Ⅴ因子欠乏症であるパラ血友病などがある.
血友病Aの類縁疾患としてvon Willebrand病があるが,これは比較的頻度が高い.血友病Aと同様,第Ⅷ因子活性の低下をみることが多い。本症は血友病と異なり,第Ⅷ因子関連抗原が低下または欠損しているもので,優性遺伝形式をとる.
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