中検へ一言・中検から一言
臨床化学検査の進歩と臨床医の反省,他
伊東 亨
1
1日本医大・神経内科
pp.500-501
発行日 1975年5月15日
Published Date 1975/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908968
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1.自動分析装置の発展とその問題点
ディスクリート系のオートアナライザーとして最大のチャンネル数と処理能力をもつスウェーデンAGA社のAutochemistは,25種目の血清成分を135検体定量処理(1時間)し,分析総数として1時間3,200,1日に2万件以上分析する.昭和47年日本にも輸入され分析業務が行われ,筆者も数回にわたり分析依頼した経験がある.結果の精度,迅速度において優れている,数時間後には異常高・低値がテレタイプで打ち出され成績票がもどってくるので,一定集団の健康管理および健康時の測定値の予知から,わずかな変動をも知って疾病の早期診断に供する有利性がある.しかし精度の高いことから混濁血清,溶血血清による異常値も無視できず,血糖値,電解質値,脂質値に与える影響が著しい.したがって多数例の処理が主眼であるオートアナライザーでは,血清の採取(時間),分離保存,輸送についてかなりの慎重を期すことが望まれる.一方筆者らの大学付属病院中検でも,数年来12チャンネルの自動分析装置SMA 12/60が導入され,12種の化学成分の測定を同時に行い,省力化に一役かっている,参考に12項目をあげるとSGOT, SGPT,LDH, AL-P,総ビリルビン,総コレステロール,無機リン,カルシウム,クレアチニン,尿酸,BUN,総タンパクとなり,採血量4mlである.
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