私の本棚
臨床医学研究の反省のために
砂原 茂一
1
1国立療養所東京病院
pp.657
発行日 1973年5月10日
Published Date 1973/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204747
- 有料閲覧
- 文献概要
さきに,学術会議が新薬開発のための臨床試験の倫理について意見をのべたし,近くは,精神神経病学会理事会が患者を対象とする研究についてのCodeを発表した.日本でもようやく人体実験・臨床研究の倫理について,研究者自身の中に自覚と反省が芽ばえはじめたようである.
一般の臨床家は必ずしも研究の当事者ではないけれども,医学研究の論理と倫理—現代医学の体質に関して正しい理解をもつことは必要であろう.一人一人の患者を正しく診断し,もっともよく治すことを心掛けることとともに,その営みを通じて医学の進歩,人類の福祉の増進に貢献したいというのは一人一人の臨床家の念願であるはずであるから.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.