巻頭言
医化学への反省
山村 雄一
1
1九州大学医学部医化学教室
pp.169
発行日 1959年8月15日
Published Date 1959/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425906081
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久しく結核の化学的な研究に従事していた私が,思いがけず医学部の生化学教室をひきうけることになつた。大いにとまどつたことはもちろんであるが,病院の研究所の生活をはなれて基礎医学者の仲間入りをしてみると,それはそれなりに楽しいことも多いし,また岡目八目式に文句のあることも少くない。
さて,気になるのは医学部においては新しい大学院制度の下に生化学教室へ入るものが大変少いか,あるいはこれから少くなることが予測されることである。もつともこれは生化学教室にかぎつたことではなく,他の基礎医学の教室にも共通していることである。その原因となるものはいろいろあるであろうが気のついたものをあげると次のようなことである。
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