ひろば
結果への教訓
大竹 敬二
1
1法務省八王子医療刑務所医療部臨床検査室
pp.1110
発行日 1974年10月15日
Published Date 1974/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908698
- 有料閲覧
- 文献概要
新聞をにぎわした分析化研の問題は私たち技術者に身近な問題として反省を求められ,他入事でない共通な責任を感じさせられよい教訓となった.
指摘内容は(1)実際の測定日と報告書に記載された日が違っていたり,(2)故障の器械を使って測定が行われていることになっていたり,(3)1つの器械で同時に2つの測定を行ったように見せかけたり,(4)前のデータをそのまま写しかえたようになっていたり,計算が誤っていたり,多くの疑惑を含んでいろいろあるようであるが,盲目のデータだからと簡単にネツ造可能とされたのでは,たまったものではない.直接国民の健康に結びつかなくても,危険がいっぱいの現在,不安が増すばかりである.医療の一部分を受け持っている検査技師は,毎日検査値に対し可能なかぎりの神経を使い努力を続けている.もし検査値のバラツキがひどく信頼されぬ結果が続くと,本人はもとより検査室全体の責任として即座にはね返ってくる.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.