形態学的検査と技術 血液と病理
わだい
レクチン染色の教訓
渡辺 信
1
1神戸大医療技術短大部
pp.601
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203710
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研究室でレクチンの染色をしているとき,非特異的染色が強く出ることがある,原因はいろいろあるが,特に注意したいのはレクチンの鮮度(購入後の日数と使用頻度)とその保存状態である.
数年前に同じレクチンをロットを替えて使ってみたことがある.レクチンの染色を始めて間もない頃だったので,ロットの差をあまり考えずに使っていた.染色性の違いが出たときにはたいへん驚いた.保存方法に問題がある可能性もあるので,その解決法として,4℃で保存するか,分注して-20℃で保存するか考えたあげく,両方の方法で保存してみることにした.大部分のレクチンは-20℃の保存で染色性はほぼ安定したが,中にかえって悪くなるものがあり,失敗.次に4℃で保存したものをフィルターを通して変性,凝集したレクチンを除くことにした.最初はうまくいったが,二度三度と繰り返すうちに染まらなくなった.
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