Senior Course 細菌
ふん便の検査法—特に下痢症患者
前島 健治
1
,
寺本 忠司
1
,
三輪谷 俊夫
2
1神戸市環境保健研究所
2阪大微研細菌血清学部
pp.472-473
発行日 1974年4月15日
Published Date 1974/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908525
- 有料閲覧
- 文献概要
微生物検査の結果によって起病菌が決められ,治療方針がたてられる以上,より迅速に適格な検査成績が得られることが望まれる.しかし,微生物学検査では,より精度をあげようとすればするほど,手間も時間もかかり,検査の迅速さと精度はある程度裏腹の関係にあるといえる.たとえば,法定伝染病の疑いがある症例の検査では,防疫対策上からいっても,少なくとも法定伝染病であるかどうかの決定が最優先し,検査の迅速化に伴い,法定伝染病原因菌以外の菌種同定検査の精度が多少犠牲になることはやむを得ない.ふん便の検査も例外ではない.ここに示す検査法が最良の方法であるといっているのではない.日常しばしば遭遇する既知病原菌について,より高いレベルの検査施設ではもっと詳しく,広範囲の菌種について検査するのは当然のことである.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.