霞が関だより・15
医療関係予算の胎動期
I K
pp.919
発行日 1973年8月15日
Published Date 1973/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908190
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6月の中旬から始まった来年度予算の見積額算出の事務も,8月にはいると計数整理の時期にはいる,つまり峠を越したわけである.国がその存立に必要な経済的裏付をすべき範囲をどこまでとするか,その判断の結果が予算額となって現われてくるが,そこまでに至る過程での取り扱いは非常にむずかしいところである.どの場合でもそうであるが,目標を高く掲げると非現実的といわれ,実現しやすくするために目標を下げると理想がないといわれがちだが,いずれにしろ結果をみて判断されることが常である.
新聞その他で報道される政策といったものは,何か遠いところのもので,あまり身近かに感じないような場合が多いであろうが,社会福祉あるいは社会保障政策の第一線は,医療機関となる場合が多いから,遠くのカミナリとばかりいってはおれないところである.たとえば難病・寄病といったもの,あるいは老人や3歳未満の幼少児の医療費の無料化といった政策が進むに従い,医療需要のみならず,質の変化も伴ってくるはずであるから,関係者はこれに対処する措置も考えなければならないであろう.また,ごく近いうちに実施されるであろう週休2日制の問題もある.医療機関勤務者も週休2日制を例外としないとされるならば勤務形態,治療形態(手術予定曜日,集中検査日など)も改めて検討しなおす必要もあろう.
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