研究
ブドウ球菌分離同定の再検討—特にDNase活性,卵黄反応について
竹森 紘一
1
,
横田 英子
1
,
高安 敦子
1
,
森 哲夫
1
,
沢江 義郎
2
1九大病院中央検査部
2九大第1内科
pp.513-515
発行日 1972年5月15日
Published Date 1972/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907615
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まえがき
ブドウ球菌はBergey's Manual1)によると,コアグラーゼ産生能およびマンニット分解能とにより,黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)と表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)の2種類に分類され,病原菌は主としてコアグラーゼ産生,マンニット分解の黄色ブドウ球菌であるとされている.そこで,日常検査における病原ブドウ球菌の確認方法として,コァグラーゼ試験が用いられている.
しかし,多数の検体を処理しなければならない場合には,このテストもかなり煩雑なものとなる可能性があり,直接コアグラーゼの有無をはかり知るとか,画線塗抹のように同時に多数のコロニーを検査できることが必要となる.また,1検体から分離されてくるコロニーが均一な生物学的性状をもち,1コロニーの検索ですべてのコロニーをおし測るに十分であるかを確かめる必要がある.そこで,われわれは,コアグラーゼ試験,核酸分解酵素活性試験2)(以下DNA試験と略)とGillespieand Alder3)によって報告された卵黄反応とを比較しながら,黄色ブドウ球菌同定のための迅速で,より正確な方法について,再検討をしたので報告する.
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