技術解説
ICG試験—(インドサイアニングリーンテスト)
上野 幸久
1
,
丸田 英夫
1
,
遠藤 了一
2
,
小松 行雄
3
,
石塚 昭信
2
,
船戸 光子
2
1三宿病院内科
2三宿病院研究検査科
3東女医大心臓血圧研究所
pp.655-661
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907247
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まえおき
肝ば生体における物質代謝の中枢として多面的な機能を営んでおり,その1つとして胆汁色素をはじめとする種々の物質を排泄する機能をもっている.特に肝により選択的に排泄れさる物質を用いて,それの負荷後の血中の停滞率または消失率をみれば肝の排泄機能を知ることができる.
この目的をもってかなり以前からビリルビン,ローズベンガル,アゾルビンSなどの負荷が臨床に応用されてぎたが,現在では一般にBSP (ブロムサルファレイン:別名ヘパトサルファレイン)が広く行なわれている.BSPは肝全体の機能を示す最も鋭敏な検査として不可欠なものの1つではあるが,きわめてまれにショックを起こし死に到らしめることがあり,血管痛,発疹,肝臓部痛などの副作用も少なくない.また肝に対する特異性がかなり高いとはいっても一部が筋肉などにとられ胆道系へ排泄れさるのは80%前後であり,さらに胆管から腸管へ排泄されてから再吸収されて肝へ戻るという腸肝循環があり,血中停滞率の意味づけをむずかしくするという欠点がある.
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